集められた署名5261筆を、2010年5月21日に外務大臣に提出しました。追加提出分125筆(6月29日郵送)をあわせ、計5386筆が集められました。御協力ありがとうございました。
2008年12月27日、イスラエルがガザを軍事侵攻し、ガザの多数の住民が殺害されてから、一年が過ぎようとしています。私たちは、今こそ日本政府が平和と公正の視点に立ち、イスラエル政府に対して筋の通った意思表示をするよう求めます。以下の各項目について慎重に検討し、実効ある手段をとるよう求めます。
「ガザ虐殺」の責任者処罰等を求める勧告を含む「ゴールドストーン報告書」については、残念ながら日本は国連人権理事会決議および国連総会決議において棄権しました。しかし、同報告の勧告内容が賛成多数で可決していることを踏まえ、日本は自らの判断を問い直す必要があります。そして非常任理事国として、同報告における勧告を履行するよう国連安保理に対して働きかけをおこなうべきです。また、日本の援助が投入されている学校、病院、道路、下水道等のインフラについて、イスラエルによるガザ侵攻のためにいかなる被害を受けたのかを調査し、イスラエル政府に対し、相当する額に対する補償を要求するべきです。
ハマースによる統治が始まった2007年以降、ガザはイスラエルによって完全に封鎖されており、150万人の住民全体が食糧や水の入手、医療へのアクセスを著しく制限され、甚だしい人権侵害のなかにおかれています。何よりも人道的な観点を最優先し、ガザ地区封鎖の完全解除をイスラエル政府に強く求めてください。また日本政府の権限に関わる問題として、日本のNGO関係者やジャーナリストの同地区訪問を制限しないよう求めてください。
ハマースは2006年1月のパレスチナ立法評議会選挙において過半数の議席を得ており、同党は多くのパレスチナ人の民意を代表する合法政党として、今後の和平プロセスに欠くことのできないプレーヤーです。日本政府はそのことを十分認識した上で、より効果的なガザ復興支援を行うためにも、ハマース政権を含めた関係当局との協議を開始する必要があります。日本の支援は、ハマースとファタハの両党を含んだ統一パレスチナ政府の実現に向けたものであるべきです。
日本政府は1973年の二階堂官房長官談話において、「1967年戦争の全占領地からのイスラエル兵力の撤退が行なわれること」が必要であると言明しています。国連憲章の観点からも明白であるこの原則にしたがい、東エルサレムを含めた西岸地区における全ての入植地・軍事施設からの撤退をイスラエルに強く求めてください。
すべての入植地は違法なものであることを十分認識し、入植地における生産品の輸入禁止措置に向けた法的な検討を開始してください。また、輸入禁止までの当面の措置として、現在、日本に輸入されている入植地産品について、生産地がイスラエルとされている場合は、関税法および不当表示防止法等にもとづき、表示を改めさせる手続きをとってください。
(例:ヨルダン川西岸地区内イスラエル入植地産)
ハーグ国際司法裁判所は2004年7月、イスラエルが西岸地区において建設している隔離壁の建設を中止すること、およびイスラエルに対しその撤去と被害補償を行うことを求める勧告を発表しました。日本政府はイスラエル政府に対し、この勧告を履行するよう強く求めてください。
「平和と繁栄の回廊」構想(以下、「回廊構想」)は、パレスチナ住民・NGOから現地のニーズを反映しておらず、むしろイスラエルの占領政策を利する危険があるという厳しい批判を受けています。同構想がイスラエルによる占領の固定化に寄与しないことを明確にしたプロジェクトになるよう大幅な見直しを行なってください。特に、占領地内におけるイスラエル企業の活動を促進することのないよう、十分留意してください。
「回廊構想」の対象地であるヨルダン渓谷地域や、東エルサレムで進められている新たな入植地建設の即時中止を求めてください。また、これらの地域のパレスチナ人居住地において頻発されている家屋破壊命令や、パレスチナ人に対し水資源の利用を大幅に制限していることについても、国際法および人道上の見地から即時に中止するよう求めてください。
西岸地区における移動制限は、「回廊構想」がめざすパレスチナ人の自立した経済の確立を決定的に阻害しています。とくに東エルサレムと他の西岸地区との間の移動制限は、国境管理レベルにまで強化されつつあります。ガザ地区封鎖の解除に向けた働きかけに加え、移動制限の全面的撤廃を強く求めてください。
ネタニヤフ政権はパレスチナ自治政府に対し、イスラエルを「ユダヤ人国家」として認めることを要求しています。しかしこのことは、イスラエル国籍をもつパレスチナ市民が被っている法的・社会的差別をいっそう助長することになるだけでなく、中東和平の重要課題であるパレスチナ難民の帰還権の実現に関し、重大な阻害要因にもなります。パレスチナ人に対する同国の差別・排外政策を正当化する主張を認めるような発言は、絶対に行わないでください。
核兵器による甚大な被害を被った経験をもつ被爆国として、日本はイスラエルが自国の核の保有に関して国際社会に一切の説明責任を果たしていない現状を改めさせる必要があります。世界に核廃絶を呼びかける立場から、核兵器の速やかな廃棄をイスラエルに要求するべきです。また、同国の核開発を告発した元核技術者モルデハイ・バヌーヌ氏に対して海外渡航禁止措置がとられてきましたが、これを解くよう働きかけを行ってください。
イスラエルとのあいだの官民双方における技術協力・共同研究等において、軍事利用・軍事転用されることのないよう、周知徹底がはかられる必要があります。その可能性のあるものについては即時中止するよう、日本政府が具体的措置を取るべきです。また、戦争犯罪者として国際法廷等において訴追される可能性のあるイスラエル軍関係者については、外務大臣はビザの発給を行なわないでください。
2009年12月27日
(以下、12月27日以後に、声明に賛同いただいた団体)
集められた署名5261筆を、2010年5月21日に外務大臣に提出しました。追加提出分125筆(6月29日郵送)をあわせ、計5386筆が集められました。御協力ありがとうございました。
署名用紙:PDFファイル 約270KB (English)
インターネットでの賛同者募集も終了しました。
ご協力ありがとうございました。
署名は、2010年5月21日に外務大臣に提出しました。ご協力ありがとうございました。