いまから60年前の1947年11月、国連はパレスチナの地をユダヤ国家とアラブ国家に分割する決議を行いました。その結果、翌年、イスラエル独立が宣言され、この地に暮らしていた70万人のパレ スチナ人が故郷を追われ、難民となりました。1967年の第三次中東戦争では、パレスチナ全土がイスラエルに占領され、パレスチナ人の苦難はさらに厳しいものとなりました。いま、パレスチナ では「隔離壁」によって人びとの生活が破壊され、また3世代以上にわたる難民たちの存在は国際社会から忘れ去られようとしています。
しかし、その一方で、イスラエル・ボイコットをはじめ、パレスチナの地に正義と平和を実現しようとする草の根の動きが、世界中で取り組まれています。今回、私たちはイスラエルのアパルトヘイト政策に反対する「ストップ・ザ・ウォール・キャンペーン」のファトヒ・クデイラートさんをパレスチナから招き、全国各地で占領の実態を広く伝えるためのスピーキング・ツアーを行います。パレスチナ人がいま本当に必要としている支援とは何なのか、日本に住む私たち一人ひとりにできることは何なのか、共に考えたいと思います。
- ファトヒ・クデイラート
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Fathi Khdeirat
1967年生まれ。パレスチナ・ヨルダン川西岸のバルダラ村出身。同村評議会議長、農業組合委員長などを経て、現在、「パレスチナ反アパルトヘイト・ウォール草の根キャンペーン」のヨルダン渓谷地域コーディネーター。同地域において深刻な土地収用等の人権侵害を告発し、ユダヤ人入植地の農産物のボイコット運動を提唱する。同地域で日本がODAを通じて進める「平和と繁栄の回廊」構想に対し、現地住民の立場から批判している。