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状況は悪化しつつある
2009年1月5日(月)


1時間前にこのメッセージを書き出そうとしたのですが、爆撃が少し収まるのを待たなければなりませんでした。いま、ガザでは午後9時ですが、ちょうど、市の中心部で大きな爆発音がしたところです。それとは別に、海や陸からひっきりなしに続けられている砲撃のひどさは言うまでもありません。町中が狂ったような状態です。世界はまったくおかしくなってしまったようです。私は本当に思うのですが、これらの爆弾やミサイルはもともと、傷付きやすい人間の体や、家族丸ごと、そして子供たちや民家を攻撃するために作られたのではなかったはずです。数分前に起きた爆発は、家族が住んでいる建物を文字通り揺るがすものでした。ガザ全体が停電しているため、外は暗闇です。見えるのは、ただ、上空を唸りながら飛ぶF16戦闘機から落とされるミサイルや爆弾の閃光だけです。

今日、月曜日は本当に悲劇的な日でした。イスラエルの集中的な爆撃によって45人以上の市民が殺害されました。犠牲者の絶対的多数が女性や子供たちです。今日の報道によれば、犠牲者の30%以上が子供だということです。

イスラエルの戦車による砲撃は非常に激しく、また、突発的に行われており、被害を受けた家族の多くは、病院にたどり着くまでに全員が死んでしまうか傷つけられるかしているという状況です。サムーニー家はガザ市南東部のゼイトゥーン地区で、7人の家族を失いました。アブ・エイシャ一家はジャバリヤ難民キャンプの東部で9人の家族を失いました。バクル家は妊娠した母親とその4人の子供を失いました。彼らは皆、イスラエルの戦車が彼らの家に直接砲撃したことによる犠牲者です。

海辺では、ある悲劇が起こりました。イスラエルの海上武装ヘリコプターが一般人の車をもろに砲弾攻撃したのです。乗っていた家族はガザ地区の中間地域の親戚のところへ滞在するため、ガザの市街地から逃れようとしていたところでした。傷ついた母親は、地方ラジオ局へ助けを求めて電話をかけました。子供たちが道路に投げつけられ、殺された子供もいれば、傷つけられた子供もいたのです……加えて彼女の義理の父親も亡くなりました。彼女は救急車を求めましたが、イスラエルの戦艦と戦車が医療関係者や救急車に対して砲撃を加えたため、救急車はその地域――沿岸道路に沿ってガザ市から南へ5キロに位置する――までたどり着くことができませんでした。悲劇はそこで終わりませんでした。ガザの中部地区で家族を待っていた父親は、妻の声をラジオから聞いたのです。彼は道路を逆側から走って行きましたが、家族にたどり着くまであとほんの100メートルというところで、イスラエルの戦車に砲撃され、一瞬にして殺されてしまいました。

さらにひどい話をラジオや人々、そしてテレビから私たちは聞くことになるでしょう。きっと国際的なメディアにおいてもこのような話は伝えられていることだと思います。実際、シファー病院は、殺され、傷つけられた人々でいっぱいになろうとしています。ただ、過去二日の間に、一つだけ状況が変わった点があります。いまや緊急治療室へと運ばれるのは家族全員そろってなのです。理由は、戦車が民家を直接爆撃することにあります。戦争マシーンは一般市民へとその攻撃を向けているのです。

昨日、日曜日、保健省高官は、ガザは災害指定地域であると宣言しました。医薬品の備えが本当に不足しています。犠牲者は絶えることがありません。一日中、ほとんど静かになる時はありません。戦車の大砲が止まったら、今度は、空からの爆撃か海上からの砲撃なのです。イスラエルの戦車はいまやガザをぐるりと取り囲んでいます。家の窓から私の地域の南のほうに煙と戦闘地域を見ることができます。主な戦闘地域のひとつは、だいたい私の居住地区から南あるいは南東へ2キロほどのところにあります。終日さまざまな種類の爆音が聞こえますが、ヘリコプターからの激しいマシンガン射撃さえ聞こえます。驚くべき抵抗によって、戦車の機動や市内への侵攻は遅々として進みません。誰もが知っていることですが、ガザ市は人々や建物が非常に密集しています。市の中心部へといたる道程で、いったいこれらの戦車が無数の人々を殺害することなしに、こうした地域へ侵入することができるのだろうかと思わずにいられません。

私はこのようなことが二度と起こらないように願うだけです。イスラエル軍は一般市民に多大な犠牲を払わせるという汚い戦争を遂行しています。このことにもかかわらず、報道は、イスラエル軍とパレスチナの戦闘員の間で行われている実際の軍事衝突は、特にガザ北部と西部においてすさまじいというように伝えています。これらの報道は、イスラエル軍は多くの負傷兵を出しているとも伝えますが、しかしイスラエルは大抵、メディア報道を検閲しているのです。

国際社会はすぐにも停戦させるために強く働きかけるべきです。人々のためのより人道的な緊急支援を認めることもまた重要なことです。私は人々がスーパーマーケットから余分な量の生活用品を買っていることにはじめて気づきました。市の中心部から数キロもないところで実際の戦闘が行われている音が聞こえたとき、さらに不安な多くの顔が見られました。最新の情報では、これまで殺されたパレスチナ人の数は530人に届き、2400人以上の人々が傷つけられています。

B・サーメド
2009年1月5日、ガザ
(翻訳:後藤あゆみ、役重善洋)

→英語原文

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