前へ                 INDEX                 次へ 

イスラエルのF16ジェット機によるガザの密集した住宅地へのミサイル攻
撃は、醜悪な虐殺を引き起こした
2002年7月23日(火)


たった数秒のあいだに、一見、ごく普通の平和な夏の夜は一変し、イスラエルによるガザへの攻撃のなかでも最も多くの血が流されたものの一つに晒されることとなった。

ほぼ真夜中に、突然、複数のF16ジェット機が街の上空を飛ぶ音が聞こえた。F16が低空飛行をしてきたため、私達はすぐに過去の経験から、ミサイルを発射してくることが分かった。そしてその通りに、2発のひどい爆発が地域一帯に衝撃を与えた。戦闘機は二発の攻撃ミサイルを発射し、アル・ワヒダ通りの近くのヤルムーク・スタジアムの東側にある密集した住宅地を直撃した。

すぐに、救急車や多くの自家用車が現場に直行し、ガザで最も大きい病院であるアル・シファ病院に死人や怪我人を運んだ。

F16による攻撃は、ほんの一瞬で、市内の密集地に恐ろしい荒廃と破壊をもたらした。標的となった建物は6階建てで、子どものいる家族が多く住んでいた。アル・ジャジーラ・テレビによると、戦闘機は明らかに、ハマスの軍事部門、カッサム団の指導者サラハ・シュハダの暗殺を狙ったものだそうだ。最初、自治政府高官は、サラーハ氏は彼の妻と三人の子どもとともに殺されたと明言した。しかし、30分後、ニュースは、サラハ氏は暗殺を免れ、無事であると訂正した。ニュースによれば、彼は生きており、元気だとのことである。

今のところ、死者は10人であり、その多くは、子供たちで、この夜の遅い時間には寝静まっていた。また、ニュースによると、少なくとも70人がケガをし、その多くが重傷だという。

アラブのテレビで有名なアル・ジャジーラは、通常の放送を止め、ガザへの突然の空爆を緊急ニュースとして流した。空爆された住宅地で何百人もの人々が家族や隣人を救助しようとしている様子が生中継された。テレビには、男達が死んだ子どもを肩に担いで、急いで病院に運ぼうとしてしている、恐ろしくも、ひどい映像が放映された。二人の若者が、死んだ男の半分残った死体を運んだり、飛び散った肉や骨を手で集めようとしているところも映し出された。

このシーンは、そのあまりの流血と破壊の大きさで、全く、胸が詰まるものだ。この攻撃が標的としたのは、市内でももっとも人口が密集した地域で、ほとんどの人々が家で寝ていたのである。
通りからは、この攻撃に対応する様子が見えたり聞こえてきたりする。[死傷者の]親戚や友人たちが愛する人を探し出そうと、車やバスで、ガザの中心的な病院であるシファ病院に急いで向っている。

著名なハマスの指導者であるランティシ博士は、アル・ジャジーラ・テレビへの声明で、攻撃をつよく弾劾した。彼は、この攻撃は、家で寝ていた無実のパレスチナ市民に対するシオニスト・テロリストによる攻撃であると言った。ランティシ博士は、電話越しに声を高め、イスラエルに報復することを毅然と宣言した。イスラエルは、今晩のこの臆病な攻撃によって流された血に対する報いを受けるだろうと。

今晩(というよりもむしろ、7月23日火曜日の早朝)起きた、1人の兵士を暗殺するために一般市民が住む建物をまるごと攻撃するという、イスラエルによる卑劣で醜悪な虐殺行為は、パレスチナ人とイスラエル人の現在の紛争に新たな次元を招くことになるだろう。

あるパレスチナ人の評論家は、F16によるミサイルで直接一般市民の住宅を攻撃し、その一帯の家屋ともども建物全体を廃墟にしてしまったことで、イスラエルは行き着くところまでいってしまったのだという事実を強調した。彼は付け加えて、こうした暴力的な犯罪は今後の事態の中で、新たな前例として機能するだろう、と言った。

すでに、午前2時であるが、ガザの街は怒りに燃えている。街の西側の病院の近くでは、何千人もの群集が復讐を叫び、多くの兵士たちが機関銃を空に向けて発砲している。

何千人もの怒りに燃えた若者たちが町のあちらこちらに集まり、イスラエルによる卑劣な犯罪を糾弾し、抗議の声を上げている。

この7月の夜、ガザは、すでに戦争中のようだ。怒った兵士や若者たちが街のあらゆる場所で機関銃を発砲しており、窓の近くに寄るのは危険である。これは誇張ではない。怒りの銃弾が街のあちこちで連射されている。

町の雰囲気は怒りと復讐心で満ちている。街の東側で機関銃の連射音を聞いたかと思えば、一分後には、西側や北側からも銃声が鳴り響く。暗闇の中、聞こえるのは銃声だけで、空には銃弾の飛跡を示す赤い閃光だけが見える。

明らかに、これからしばらくの間、多くのニュースが流れるだろう。その多くは悲しいニュースに違いない。それは、ガザ市の住宅地の中心部にある一般市民が住む6階建のビルに対する、この無意味で、無謀で、許しようのない空爆のためである。

報告:B.サメド
2002年7月23日
パレスチナ、ガザ市


→英語原文





  前へ                 INDEX                 次へ