パレスチナの平和を考える会

「パレスチナ人政治囚ハナ・シャラビーさんのハンスト闘争に連帯し、ガザ追放に反対する3・31緊急行動」報告

2012年3月31日、関西の市民有志約20名によって、パレスチナ人政治囚ハナ・シャラビーさんの即時無条件釈放を求める緊急行動が取り組まれました。この行動は、全世界で取り組まれた「土地の日」連帯行動の一環として、パレスチナの平和を考える会、ATTAC関西、関西共同行動、ユニオンぼちぼちの4団体の呼びかけによるものでした。

シャラビーさんは、去る2月16日、西岸地区ジェニン近郊の自宅で理由も告げられないまま、イスラエル軍によって逮捕されました。拘置所で、男性イスラエル兵によって裸での検査を強制された彼女は、その日からハンガーストライキによる抵抗を43日間にわたり続けました。

この間、イスラエル当局は、彼女を拘禁する理由も明らかにせず、裁判にかけることもせず、不当な行政拘禁を継続しています。イスラエル当局が、彼女を釈放する代わりに3年間ガザに追放するとの不当な条件を出しているとの報道も緊急行動の直前に伝わってきました。

私達は、このような強制的な追放は、国際法に違反するのみならず、パレスチナ人の人権を奪い分断する政策であるとして、JR元町駅前での情宣行動と在神戸イスラエル名誉領事館への申入れ行動とを行いました。

申入れ行動では、名誉領事である親シオニストの建築家・三宗司郎氏とイスラエル大使ニッシム・ベン=シトリット氏宛の「申し入れ書」を用意していたのですが、名誉領事館は、残念ながら留守だったようなので、分かりやすいよう、領事館の扉に貼らせていただきました。

申入れ内容は以下の4点です。

残念ながら、シャラビーさんは、緊急行動の翌日4月1日には、ガザに追放されてしまいました。懲罰的封鎖の下にあるガザの人々は、彼女を暖かく迎え、彼女は、「私は自分の故郷におり、私の家族と共にある」と応答されたそうです(AIC: In photos: Gaza rally welcomes Hana Shalabi)。

日本に3つあるイスラエル名誉領事館は、それぞれ親シオニストの日本人がボランティアで名誉領事を担っています。彼らは、イスラエルのアパルトヘイト政策に抗議するパレスチナや世界中の人々の声に耳を傾け、イスラエルの広告塔としての役割を諾々と担い続けることが正しいことなのかどうか、自らの良心に問いかけるべきでしょう。

イスラエルには、現在、4300人以上のパレスチナ人政治囚が拘禁されています。そのうちの320人は、シャラビーさんと同様、正式な司法手続を一切経ない恣意的な行政拘禁によって、自由を奪われています。シャラビーさんに続くかたちで、現在、25~30人と推定されるパレスチナ人政治囚が、ハンガーストライキ闘争に入っているとの情報もあります。

イスラエルは、軍事力や政治的経済的圧力によって、パレスチナ人に自らの権利を諦めさせることができるという幻想から目を覚まし、1976年のイスラエル領内ガリラヤ地方における土地強制収用に始まる「土地の日」の抵抗運動が、36年後の現在、被占領地のパレスチナ人やアラブ・イスラーム地域の民衆はもちろんのこと、全世界の市民に拡がりつつあるという現実を直視すべきです。

アムネスティ・インターナショナル日本による関連情報